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【NHK】その対処、本当に正しいの?放送法第64条、そんなに強くないよ?

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NHKの回収員を撃退する方法!みたいな記事、多いですよね。確かに払いたくない人も多いでしょう。もちろん僕も払いたくない!その理由は様々ですが、法律である以上、払わないことにも正当性が必要です。それがどうにもNHKを敵に見立てて「払わずに済む方法」だとか「撃退!」なんて言葉が踊ることにものすごく違和感を覚えるんですよね。

主観的解釈や嫌悪感が契約を拒む理由にはならない 

多くの方がNHKに払いたくない理由はここにあるのではないでしょうか。相次ぐ不祥事、放送内容の偏り、受信料の不透明な用途などなど。

あとは、民放が無料なだけに、TVにお金を払うというのがピンとこなかったりなんかもったいない、払いたくないという気持ちもあると思います。

しかし、それらはNHKの契約を拒む理由にはなりません。

なぜかというと法律(訓示規定ですが)で定められているからです。国民は法律法令を遵守する義務があり、まずはその認識をしっかりと持つべき。話はそれからだ。

多くの方が言う契約しない理由を潰してみる

※僕が納得して書いてるのかどうかは別問題として読んでください。

 

①NHKを見ていない

見るか見ないかの個人の事情は関係ない。見れるか見れないかだ。

 

②NHKは国営放送なのに払うのはおかしい

国営放送ではありません。公共放送です。参議院総務委員会で審議され予算の認可が下りているので果たして公共放送と言えるのか疑問を呈する方も中にはおられます。

ここで勘違いされる方が多いのだけど、国(税金)から予算が出るわけではなく、『本年も国民から公金(受信料)を徴収してもいいですか?』、という審議と承認であり、この予算審議を毎年度行うことは放送法第70条で定められています。

http://www.houko.com/00/01/S25/132.HTM#070

 

こういった成り立ちから国営と公共の境目が曖昧に感じるかもですが、個人的には公共放送だからこそ国民の代表たる公の場で審議し承認があるべきだと思っています。

公共というのは当然に公平であり公共たる国民にとって有益でなければいけません。これらは、例えば災害、テロや戦争などの国家的有事、時事などの情報源としてどれだけ公平、的確、適時に放送できるかということ。それを国民の目で監視し、放送の在り方を精査追求していく。そのために委員会審議というプロセスは必要であり、責任所在も明確になるのです。

 

③ワンセグ、カーナビなどは放送受信を主目的としていない

ワンセグ付きでない機種を選べる自由があり、放送を受信しない(ワンセグ・フルセグ無搭載)のカーナビを選択する自由もあります。民放を見るためという論理は通らず、それを選択したことはNHKの受信の承諾とみなすことができ、NHKを主目的としていない証明が困難である。ただし、ワンセグに関しては設置ではなく所持ですので支払い義務はもともとありませんし、NHKはこの点に関し敗訴の判例が出ています。「ワンセグあったら支払い義務あるんですよぉー」みたいな内容で迫ってくるNHKの回収員も多いようですが、ここらへんも話のキモになってきますので最後までお読みください。

 

④NHKの体質や運営に不満がある

例えば仕事を完了しクライアントからお金をいただく、商品を提供してお客さんからお金をいただく、その際、「お前の生活態度が気に食わないから払わない!」「お前の会社の運営や予算の使い方に納得いかないから払わない!」などと言われたらどうでしょう?納得できますか?

それはそれ、これはこれです。ただし、コンプライアンスな点はしっかり追求しなければいけませんよね。しかしそれは玄関先での押し問答で行うことではなく、裁判で行うこと。もしくは、NHKの体質や運営にメスを入れるという公約を掲げた立候補者に選挙で票を入れることで抗議、改善を求めるものです。

 

⑤国民から徴収しておきながら給料が高額 

腹たちますよね。でもそんなこと言っても仕方ないんです。税金ではないからです。例えば僕が有料記事1000円で皆さんに売りつけたとして、人によっては1000円の価値、別の人にとっては100円の価値もなかったとして、それで僕が1000万円儲かってドバイで豪遊したとして、 それは商取引の結果であって他人が口出すことではないのです。

ではこの不満をどうすればいいのか。

100円の価値しかなかったことをデモなり裁判なり国政の場で証明し、料金値下げを要求するしかない。収益が減れば必然的に給料も下がるはず。すでに出来上がっている結果に文句を言うのではなく、プロセスを変えるという発想は様々な場面で必要です。

 

⑥番組がつまらない・偏向報道がひどい

なぜわかるのでしょうか?見てますよね完全に。払いましょう。

 

結局、NHK受信料払えってこと?

いいえ違います。

NHK肯定記事と誤解される前に結論から言っておくと僕は払っていません。向こうから、「では結構です」と言ってきたので。

ただ、散見する多くの場合、断る理由も根拠も薄いということです。

 

契約しなくて済む方法としてほとんどの方の根拠になっているのがこれですよね、はい来たこれ

放送法第64条

旧32条から地デジ化に伴って新たに書き加えられ統合されたものが64条です。

ちなみに多くの記事に散見されるのが「支払い請求を断る」という文言。

現在、NHKの営業員に金銭請求権はありません。正しくは契約の締結代行です。契約の締結を行ったらもちろん支払い義務は発生するので払わなくてはいけません。

さて、この放送法第64条、まずは見てみましょう。正しくは放送法第六節第六四条ですね。

 

(受信契約及び受信料)
第六四条 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
 
 協会は、あらかじめ、総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。
 
 協会は、第一項の契約の条項については、あらかじめ、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 
 協会の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をする放送は、これを協会の放送とみなして前三項の規定を適用する。

 (引用:法庫

 

この1にあたる条文をNHKを撃退!する根拠として水戸黄門の印籠のごとく掲げているわけですよね?
 
でもねこれ、どちらかというとNHK側が印籠として掲げてこそ効力のある条文ではないかと思うのですが...。とりあえず条文を分割して解釈してみましょう。(引用提示は上同文とし省略させていただきます。)
 
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。

これはまあ、分かりますよね。NHKが映る機械を設置したら契約しなさいということです。 ちなみに協会とは日本放送協会のこと。N日本 H放送 K協会 NHKのことです。

 

ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

ここですよね。

 

放送の受信を目的としない受信設備~この限りではない をNHKに対抗する根拠にしている方が多いです。この目的としない、という部分。多くの方が誤解されているかと思いますが、所有者が目的とするか目的としないかではないですよ?所有者が「NHKを受信する目的ではない!」といえばそれで免除されるということじゃないです。

そもそも家にTVを設置する主な目的は放送の受信です。DVD専用と言ってみたところで、もしくは本当にそうだとしても、住宅設備、生活居住、というものの一般認識や社会通念としてそれは通じないでしょう。証明も困難です。

そもそも論としてTVは全般がそういう目的で「製造」されていますので。

 

では放送の受信を目的としない受信設備の設置とはどういうケースが考えられるか。普通に考えれば、その設備の環境用途が放送受信を目的としていないと明らかなもの、です。

 

・チューナー非搭載のパソコン。

・会議室でのプレゼンや資料観覧などに使用する大型テレビ。

・店頭PRで使用するDVD用のTV。

・家電量販店販売用及び展示用商品。

・店舗、自宅などの防犯カメラ用モニタとして

 

など、明らかに放送の受信、視聴を目的としない用途での設置です。過去の判例などでも、この条文を根拠にした契約の拒否に関して軒並み敗訴し、支払い命令が出ています。また、上記で例を挙げてきた拒否理由もやはり敗訴、支払い命令が出ています。

 

POINT

ただしこれらは現行の傾向と通念的解釈を反映したものであり、僕個人はこんなこと本気では思っていません。

そもそも論として、テレビを設置しただけでは契約義務などないし電波法や受信という概念を突き詰めればNHKが観たくて観ている人以外は契約の義務はないと言えます。本来放送法第64条はNHK受信機器を管理監督者の管理下において操作、受信を行うという前提のもとに作成されているので、放送の受信を目的としない受信設備~この限りではないという抜粋をせずともこの64条自体、本来はNHK受信目的者以外に該当するものではありません。総務省でもそういう解釈ですよね。ここらへんは僕も随分前に調べまくってかなり勉強しました。

電気通信事業者のネットワーク構築マニュアル 総論

 

あくまでも、現行の傾向や判例を見る限りではそういった解釈が反映されておらず、その傾向の中でベストに立ち回るためには、という前提で読み進めてください。

法律は解釈ですからその時々の風潮や勢力、時事によって変化するのはこれはもう言ってしまえば庶民一個人がどうこう言ってもどうしようもないことです。

 

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放送法は合憲である

放送法は訓示規定なので民法で保証される契約の自由が優先だなどと言う人がいますがとんでもない間違いです。放送法は特別法であり、民法より上位。訓示規定ですので尊守しなかったからといって罰則はありませんが、民事裁判での判決は契約の自由よりもやはり放送法を尊重しています。つまり、放送法はれっきとした合憲であるという認識を持つべきです。
 
つまり、合憲であるものに対して素人撃退法()でいい気になってると大火傷するよ、ってことです。
 

そんなNHKとどう向き合うべきか

ここでもう一度最初から読み直しておいてください。
 
POINT
キーワードがいくつかあります。
 
国営放送ではない
金銭請求権はない
契約締結
商取引
所持は契約対象ではない
 
NHKの回収員訪問は契約を取りに来る営業マンである
集金人撃退!というのは大間違い。支払い請求を撃退する方法なんて見当違いもいいとこです。契約を取りにきているのですから。契約を交わしたらもちろん支払い義務が発生するので撃退もクソもないです。
 
問題はこの契約です。
前述した通り、放送受信できる設備を設置していたら契約は基本的に結ばなければいけません。法律で定められた国民の義務です。(と、現状はされています)
どれだけ不満があろうが関係ないのです。
 
ですが、国営放送ではないわけですよね。特殊法人といえど、国営と二分するのであればどちらかと言うと民間企業と言えます。職員もそう言い張りますからね(笑)
 
企業というのは当然に利益の追求が目的です。その利益のために受信の契約をし、受信料を徴収する。ということは、協会放送はNHKの商品になるわけです。
 
商品をセールスするのがいわゆる回収員、ですが、性質上どちらかと言うと営業員の方が正しいかと思いますので以下営業員と呼びますね。
まあその営業員がセールスに訪れるわけで、これを撃退したいとやっきになっているわけですよね。
 
さて。
契約は義務と言えども、その内容に納得できなければお金を払う契約などできません。
例えば正式な営業員でもなんでもない僕が適当にドア叩いて「NHKの契約お願いします。契約料は1,260円です」で簡単にお金払ってしまったら大変です。
この世の中、こういう詐欺はごまんとあります。怖いですねぇ...。
ドアを開けるのでさえ慎重にならないとどんな悪人がその向こうで舌なめずりしているのかわかったもんじゃありません。
 
ですので、本当にNHKからの委託業者なのか、その契約は確かなものなのかをしっかりみっちり確認してから判子を押す必要があります。
 

セールスであるという認識で対応する

NHKの正式な委託業者である証明。
商品内容の十分な説明。
契約内容の十分な説明。
法律に無知な我々に対する契約義務の納得に足る十分な説明。
 
身元と訪問の正当性を証明し契約の義務を理解、納得させる義務。
NHKの営業員にはこれがあると思います。
 
少なくとも、訪問時に「お支払の義務があります」とか「スマホのワンセグも支払い義務ありますよー」とか適当なことを言う営業員は詐欺かもしれないので死ぬほど疑ってお支払の義務の間違いや不当性をとことん追求しましょう。
 
少しでも怪しい、威圧的、怖いと感じたらまずは警察への通報を示唆し、身と財産の安全を確保しましょう。明確に威圧してきたら本当に警察へ通報しましょう。威圧的に金銭請求することは恐喝罪です。
 
営業員の会社や上司への確認、その会社名や所在地をNHK本社へ本当に委託会社かどうか確かめましょう。確認が取れたら虚偽の内容で契約を迫ったことについてしっかりクレームを入れ、誠意ある対応を求めましょう。
 
これらの対応は、金銭の支払いが発生する商取引においては当たり前のことであり、リスクヘッジとしてトラブルを未然に防ぐためには当然のことです。
 
ここらへんをね、営業員も国民もわかっていないんです。
 
放送法で定められた義務、という大義名分があるから強気にドアを叩き横柄な態度で契約を迫る。
大義名分があるからその中身や解釈、裁判所の判決まで勉強しない。
大義名分があるから「商取引のセールスである」という本質が見えていない。
 
これは国民側も同じことです。
放送法で定められた「この限りではない」に与する条文をドヤ顔でむやみに振りかざす。本質が全く見えていない。訴えられたら現状負けるよ?
 
テレビを置いてるなら四の五の言わずに払うべき。ただし相手が身元と訪問の正当性を証明し契約の義務を理解、納得できてから。
 
テレビ置いてないなら堂々と部屋の中を見せればいい。ただし相手が身元と訪問の正当性を証明してから。
特に女性一人で対応する場合は、必ず女性営業員を部屋に上げるようにしましょう。女性営業員がその場にいなければ女性営業員が来れる日に改めてもらうか、もしくは男性知人なりが一緒に立ち会える日を指定しましょう。
 

NHKを特別視しすぎて構えすぎ

テレビ置いてるとか置いてないとか、義務だとか条文だとかの前に、サービス受信契約であるという認識を持つべきです。ネットやスマホの契約とプロセスは同じ。違うのはその向こう側に法的義務が介在するというだけ。
 
なので、もちろん契約義務があると理解、納得できれば契約しなければいけないし契約すれば支払わなければいけない。そうさせられるだけの誠実でしっかりした営業員であれば仕方ない。これがタイトル画像にある「ただしイケメンに限る」のイケメンに相当する営業員ということですな。
 
逆に納得も理解もできなければ、納得できるまで質問すればいいしそれでも足りなければ後日にでもしっかりした資料を持って説明に来てもらえばいい。何度でも。営業員にはその責任と義務がある。
 
商品にお金払ってくださいということはそういうことだ。
 
ことさらこちらが法的根拠だとかNHKの体質がどうとか給料が納得できないとか言わなくてもよろしい。放送法第64条を鬼の首を取ったように突きつけても向こうは向こうで対策マニュアルがあるんや。そんな浅はかな知恵ではなく、セールスに来た相手の言葉に対して淡々と対応し、消費者として契約に至るまでのプロセスをしっかり踏めばいいだけのことです。
 
法律がある以上は「その商品興味ないからいらないです」とは言えなけど、逆に言えば「契約しないとは言っていない状態」なら問題ないのです。
理解、納得できれば契約します。放送法で定められた義務ですから。
お客様に理解、納得してもらうために誠心誠意対応するならこちらも誠実に対応しましょう。理解納得できれば契約しましょう。
 
それを向こうがめんどくさがるなら来なくなるだけでしょう。こちらが断ったわけではないから仕方ない。
「では結構です」と言われたまま放っておかれているので保留。
僕は今この状態です。
 
ちなみに、営業員が来なくても条件が放送法の履行に当てはまるなら自分から払わなくてはいけないのか?という疑問もあるが、誰もが法律を知っている、NHKの仕組みを知っていると決めつけているのがそもそも間違い。それを子供にもわかるように周知努力をするのもNHKの義務だろう。
 

結論

営業員の態度、対応、身元、訪問正当性、商品説明、契約の正当性の説明に理解、納得ができれば契約しましょう。ちゃんと説明できない営業員とは不利益を被る可能性もあるので納得に足る説明ができるまで契約を交わすべきではない。商談中、契約保留中という状態で正当性は保てる。
 
それを浅い知識や根拠で契約しません!払いません!とするから話がこじれるし場合によっては不当対応になりかねない。裁判されたら負けます。
(もちろんTVを設置していないという正当性があれば別だが、その正当性は立証する必要がある)
 
テレビを設置しているがどうしても払いたくない場合は、通称『イラネッチケー』をつけましょう。
 

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なんとなくうやむやな判決でしたが、一応勝訴しています。理論上は、放送法第64条を論破できるはずですし、特に『若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。』にも該当するかと思います。

ただし、『これをつければ受信できない状態にできる』のですが逆に言えば『これを外せば受信できる状態にできる』とも言えるので今後どうなるかは保証しかねます。

 

 
 
ちなみにNHK側が一方的に契約書を送付して契約は有効としたした裁判ではNHK敗訴、ワンセグも契約義務が発生する、でもNHK敗訴ですがそれ以外は全て?(多分)支払い命令が出ていたはず。それが現在の解釈と傾向です。
 
何度も言いますが、基本的にはNHK観る気満々で設置し、かつ主体者が協会放送受信操作することで契約義務が発生すると考えていますが、現在の解釈と判例傾向ではスルーされますので負ける裁判されたくなければ風向き変わるまで今は忘れましょう。
 
 
読んでいただき、ありがとうございました。
僕は専門家でもなんでもありません。あくまでも ”禍々しいほどに俺論理” にすぎませんので、全てが正しいと思わずにご自身でもぜひ勉強してみてください。
 
 ▼よければふぉろみぃ▼

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